警戒態勢にはいります。

電力会社の代理店らしき会社から

女性の声で電話がかかってきた。

「　〇〇電力の代理でお電話をしております、△△会社と申します。

　ご契約されています〇〇電力で、新しいプランをご用意いたしました。

　こちらのプランにお切替いただけますと、光熱費の節約になります。

　簡単で結構なので、いくつかご質問にお答えいただけますでしょうか。」

契約している電力会社名だったし、光熱費の節約になると聞き、

質問に答えることにしてみた。

月々の電気代と、ガス代で金額が少ない月と多い月の値段を答えた。


「30分ほどお時間いただきまして、

担当の方から新しいプランに切り替えた場合の金額を

あらためてお電話でご連絡させていただいてもよろしいでしょうか。」


お願いすることにした。


30分後、別の女性から電話がかかってきた。

「先ほどお電話おかけしました〇〇電力のプランをご案内しております、△△会社と申します。

　現在お客様がご契約されているプランが「重量電灯Bプラン」と言うものになります。

　計算させていただいたところ、

　〇〇電力での新しいプラン「スマートライフプラン」に変更していただきますと、

　現在の電気代とガス代の合計金額よりも月々3割～5割、安くなります。」

えっ・・・。

それは、かなり安い。

あれ？電気代だけじゃなくて、ガス代が出てきちゃった？

なんでだ？？

注意して話しを聞いてみる。


「スマートライフプランに変更させていくためには、二つだけ条件があります。

一つ目は、電気メーターを交換する必要がありますので、

そちらは無料で交換をさせて頂きます。」


そうですか、無料なら良いですね、と思って

また耳を澄ます。


「もう一つは、お使いのプロパンガスの給湯器を

　『エコキュート』という給湯器に交換が必要になります。

　『エコキュート』は、空気と電気のチカラでお湯を沸かすので、

　今までプロパンガスで沸かしていましたが、

　今度から電気で沸かすようになります。

　こちらの給湯器に切り替える初期費用も無料です。

　ただ、3割～5割光熱費代が浮いたお金の一部を

　費用としていただきます。」


ここで、あれっ？

と、思う。

浮いたお金の一部を費用として支払う必要があるなら、

値段を教えてもらおう。

聞いてみた。

　
「専門の診断士がご自宅にお伺いして、

　各ご家庭にあった方法なのかどうかを診断させていただきます。

　安くならない場合もありますので、

　一度お伺いして、お値段もその時にならないと今は何とも申し上げることができません。」

と、言う。

きっちり教えてもらえなくても良いので、

ざっくり一番高い人でいくらくらいかかってるんですか?

と、しつこく聞いてみた。


「一度診断士がお伺いしてからでないと、お値段を申し上げることはできません。」

と、教えてくれない。

じゃあ、カタログでももらってじっくり見てから

よくよく考えようと思って、

主人とも相談したいので、カタログを送ってほしいとお願いしてみた。


「カタログの郵送は申し訳ありませんができません。

　診断士がご自宅に訪問させていただいた時に、

　カタログをお持ちして、ご主人様にもご説明させていただきます。」


・・・。

なんてこった。

融通が利かないなあ。

診断士の一人しか、カタログをもっていないんだろうか・・・。

なんか、怪しい。


では、主人とやはり相談したいので、

私の方から折り返しお電話をさせてもらいたので、

電話番号を教えて下さい。

と、番号を聞いてみた。


「こちらはコールセンターですので、おかけすることだけしかできない電話番号になります。

　私どもの方から、では改めてご主人様にお電話させていただきます。

　何時ごろ、ご自宅にいらっしゃいますか?」


・・・。

電話番号も教えてくれない。

なんか、違和感。

とりあえず適当な時間をお知らせし、電話を切った。

光熱費の節約はしたい。

したいけど、そのまま鵜呑みにするのは心配・・・。

そう思い、電力会社に電話して、聞いてみようと思った。

ホームページで番号を確認していると、気になるメッセージが。


『　「節電」と称した詐欺にご注意ください！

当社社員を装い、「節電」と称して、工事代金などを騙し取る詐欺行為や不審な電話が発生しております。

不審だと感じたら、最寄りの当社営業所へお問い合わせください。』


不審な電話といえば、不審。

文面も載っているし、胸を張って聞いてみよう。

聞いたみた。


「その会社名は、不審業者です。

　何度かお客様からご連絡いただいたこともございますが、

　パートナー企業ではございません。

　不審業者と思われます。

　電気代やガス代などを聞かれた、というお客様からの連絡が他の方からもありました。」


はい、不審な業者と決定しました。

電力会社が言っているから、間違いない。

やっぱり。

最近、警戒心が弱まってきていたけれど、

いざとなればちゃんと警戒態勢に入れることに

我ながら安心した。

電力会社のプラン名や給湯器名も実際にある名前のものを語っていたので、

だいぶ計算された営業トーク。

詐欺なのか、どうなのか。

そのまま診断してもらっていたら、

どういう展開になっていたのだろうか。

もうこれ以上は関わるのはやめよう、と思い、

我ながらもともとの警戒心の強さも

役立つ時もあるんだなあ、と実感。

警戒をゆるめたり、強めたりして、

さじ加減を調整するしかない。

節約をする主婦の心理をついた作戦。

だまされないんだから、こらー！！